IDFAのオプトイン化によって、どのくらい収益が減少するのだろうか

2021年1月に配信予定のiOS14.4から、IDFAのオプトイン化が実装されるらしい。
IDFAが取得できなくなると、パーソナライズされたターゲット広告が配信できなくなるので、広告収益が減少することが予測されている。

IDFAのオプトアウトはすでに実装されており、25〜30%くらいのユーザーが使用しているそうだ。
これは年10%程度のペースで増加していく傾向にあったので、遅かれ早かれIDFAが使えなくなる状況は訪れていたのだろう。
(それが遅いにこしたことはなかったが)

※追記 iOS14.4ではIDFAのオプトイン化は実装されませんでした。

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どのくらいの減益になるのか

IDFAが使用できなくなると、30〜40%程度の減益になるようだ。
これは複数の広告プロバイダーが検証・指摘している。
(FACEBOOKだけが60%としているが、他と数字が大きく違うので、これはおおげさに言っている可能性がある)

現状で25%のユーザーのIDFAが使用できなくなっているのだとすると、すでに10%程度は収益が減っていることになる。
私のアプリでは、ここ1〜2年の間にじわじわとeCPMが低下してきているので、この影響が出ているのだと考えられる。

全体で40%減少するとして、すでにそのうちの4分の1、つまり10%が織り込まれているのだとすると、これから残りの30%の減少が発生することになる。
IDFAの取得を許可しないユーザーが少なかった2018年の収益から、40%を引いて計算すると、おおよその今後のeCPMが計算できるのではないだろうか。

私のアプリの場合、2018年のeCPMが114円だった。
この-40%が68.4円なので、このあたりに収まる可能性がある。

2020年はコロナ禍の影響で収益が低下傾向にあったので、今年もまた下振れする可能性が高い。
2018年から2021年の収益を予測するには、-50%で計算した方がよいかもしれない。

IDFA以外の仕組み

IDFAが使用できなくなるかわりに、SkAdNetworkという機能が新たに使われるようになる。
こちらはユーザーが匿名化され、情報がリアルタイムで得られないなど、かなり使い勝手が悪いようで、収益の維持にどの程度寄与するのかは、今の所わからない。

admobは新たにアプリ単位でIDを発行し、広告の配信ができる仕組みを実装しているらしい。
アプリごとにユーザーの属性はある程度絞り込めるだろうから、闇雲に広告を出すよりかは成果が出るだろう。

このように、それぞれの広告プロバイダーがIDFAが使えなくなることに対応しているので、減少幅はそのまま直撃するのではなく、いくらかは緩和されることになる。

その効果は実際にIDFAのオプトイン化が始まってみないとわからないが、10%軽減されるとして、全体としては30%程度の低下で抑えられるかもしれない。

後は各アプリごとの、IDFAの取得を許可するユーザーの割合によっても変わってくるだろう。
わざわざ個人情報の使用を許可するユーザーは少ないだろうし、期待はできない。
アプリを気に入っている、定着したユーザーが多ければ多いほど、許可率は上がる傾向にあると考えられる。

アプリ運営側の対応

このような状況になると、表示する広告数を増やすことを検討するアプリ運営者が多くなるだろう。
個人的には、広告を増やすとユーザビリティが下がるので避けたいと思っている。

広告収益の低下への対応としては、新しいアプリをリリースしてユーザーの増加ペースを拡大する、サブスクリプションサービスの実装によって課金ユーザーを増やし、広告への依存度を下げる、などの施策が必要だと思われる。

どちらも簡単に達成できることではないけれど、今後もアプリでの収益を得ようと考えるのなら、必要な措置となるだろう。

Appleは100万ドル以下の収益の事業者に対して、Appleの取り分を30%から15%に下げる施策を実行に移した。
この流れから見ても、今後は広告ではなく、ユーザーから課金収益を得ることに重点を置いていった方がよいのだろうと、私は判断している。

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