Appleの発表によると、この春からIDFAの使用には、ユーザーの許可を得ることが必須になるようです。
おそらくiOS14.5からそうなるのでしょう。

IDFAの取得にはApp Tracking Transparencyという仕組みを使う必要があるのですが、個人的にはこれには対応せず、IDFAの取得をユーザーに求めない方針でいくことにしました。
その理由は以下のようになります。
許可するであろうユーザーの割合が小さい
IDFAを使わせてください、とユーザーに求めたところで、ユーザーにはそもそもIDFAが何なのかは理解できません。
追跡広告を出すために必要なのです、と説明しても、そんなの嫌だよ、と思うユーザーがほとんどでしょう。
私もユーザーの立場であれば許可しません。
仮にダイアログを表示させても、許可するユーザーは10〜20%程度になるだろうと言われています。
ということは、実質的にIDFAはほとんど利用不能となっていくわけで、そのために工数を費やすのは無駄だと判断しました。
実装したところで、ユーザーをわずらわせるだけになってしまいそうです。
SKAdNetworkが強化される
AppleはIDFAに代わる広告効果の計測手段として、SKAdNetworkを提供します。
(正確には、以前から存在はしていたようですが)
先程のページに記載されてるのですが、Appleは「SKAdNetworkの機能を強化していく(we will enhance SKAdNetwork)」とも書いています。
IDFAを使わなくさせるけれども、SKAdNetworkの強化によってカバーしていく、という流れになっているわけですね。
Googleは他の業者とも協力して、AppleにSKAdNetworkの改善を求めるフィードバックを送っているそうですが、Appleはそれに基づいて、匿名性を維持しつつ、広告効果の計測がしやすくなるように改善する意志を持っているということになります。
こちらのページにGoogleの対応が記載されています。

ですので、広告の単価の減少を抑えるための活動は、広告業者やAppleに任せておいた方がよさそうです。
広告を表示させるだけの立場の側からすると、特にできることはありませんので。
まとめ
・IDFAを許可するユーザーはほとんどいないので、ATTの実装にコストを割くのが得策だとは思えない
・ユーザーが理解しづらいダイアログをアプリに表示させたくない
・ATTが不要のSKAdNetworkが強化されるので、そちらの動きに任せる
という3つの理由から、ATT対応はしないことにしました。
アプリの開発者はIDFAの問題にかまけるよりも、既存のアプリの機能改善と、新規アプリの制作などによって、自分のアプリを使うユーザー層の拡大を図っていく方がよいのではないかというのが、個人的な見解です。
追記
上記の通り、対応しないつもりだったのですが、iOS14.4以下のユーザーに対しては、IDFAを引き続き取得することになります。
このため、アプリのプライバシー設定では「IDを取得してトラッキングをする」と明示しなくてはいけません。
プライバシーでこの設定をしているのにATTを実装しないと、Appleにアップデートをリジェクトされてしまいます。
このため、やむを得ずATTを実装することになりました。