iOS14.5からATTが導入され、IDFAが自由に取得できなくなり、広告収益が大きく減少した。
同じアプリをiOSとAndroidで出しているのだけど、iOSの収益率はAndroidの半分くらいまで落ち込んでいる。
つまり、iOSでAndroidと同じだけの収益を得ようとすると、2倍の広告の表示回数が必要になってしまうのだ。
もともとiOSは世界的に見ると、Androidよりもシェアが低く、台数は少ない。
このため、広告の表示回数が確保しづらい傾向にある。
Androidアプリは多言語展開をすれば、ある程度のダウンロード数を確保しやすいのだけれど、iOSはこの点で劣っている。
つまりiOS版のアプリは広告の表示回数が確保しづらい上に、単価も安くなってしまったのだ。
そのあたりを考えると、無料広告モデルの場合、iOS向けにアプリを作ってリリースするメリットはかなり乏しくなったと言える。
サブスクリプションや課金モデルの場合はそうでもないのだろうが。
私はマルチプラットフォームに対応した環境で開発しているので、iOS向けに出してもそこまで手間は増えないのだけど、熱心にiOS向けに展開しようという意欲はわかなくなった。
おそらくこれから、iOS向けには無料広告モデルの新規アプリはあまり出なくなり、既存のアプリの更新も停滞していくのではないかと思われる。
Appleは無料アプリでいくら広告が表示されようとも、自分のところの収益に結びつかないからいいか、と考えたのだろうけど、無料アプリが増えなくなり、更新もされなくなると、ユーザーが不便を感じるようになることはありうる。
ともあれ、開発者の収益が大幅に減少する施策を、何のサポートもなく、ためらいなく導入してくる姿勢によって、こちらはAppleを信用できなくなった。
有料アプリの収益の30%を持っていき、毎年登録料をとった上でこういう仕打ちをしてくるのかと、かなり不快な気分にもなった。
今のところ減ったとはいえ収益の多くの部分を占めているから、iOS対応を完全に捨てることはないけれど、今後はAndroidの比重を大きくできるように活動していくことにする。
ATT以降、Androidへの広告の出稿額は20%程度増えているという話もあるので、必然的に開発者全体もAndroidに集まっていくことになるのではないだろうか。