AdmobのiOS SDK 8.3.0以上を使うと、同一アプリキーによって広告収益が改善する

iOS14.5以降ではユーザーの許可を得ないとIDFAが取得できなくなり、広告収益がけっこうな割合で低下した。

このため、iOS向きにアプリを作る気がしなくなっていたのだけど、AdmobのSDKをアップデートすると、それだけで収益が改善することがわかった。

具体的にはバージョン8.3.0で実装された「同一アプリキー」という機能が影響している。

これを使うと、広告のカスタマイズが可能となり、IDFAを取得していた時ほどではないものの、だいぶ単価が改善される。

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同一アプリキーとは

同一アプリキーは、公式では以下のように解説されている。

「これは、1 つのアプリ内でユニーク ユーザーを識別する暗号化キーです。同一アプリキーを使用すると、ユーザーが使用しているアプリから収集したデータを使って、配信する広告の関連性とパーソナライズのレベルを向上できます。複数のアプリにおけるユーザーのアクティビティを同一アプリキーで結び付けることはできません。」

IDFAは複数のアプリやWEB上での行動などを元にして、またがる形でユーザーの興味・嗜好を分析して広告を表示していたけれど、同一アプリキーは単体のアプリ内で情報を集め、分析して広告を表示する仕組みのようだ。

このユーザーはこういう広告に反応しやすい、というデータをとって、カスタマイズするというものなのだろう。

複数のメディアをまたがる形でトラッキングをしていた時と比べると、精度は落ちるのだろうけど、まったくカスタマイズしないよりはだいぶましのようだ。

「制限なし」の割合が増える

Admobではレポート画面で「配信制限」という項目を確認できるが、「カスタマイズ無効」という、IDFAも同一アプリキーも取れていない状態では、単価がすこぶる低い。

一方で、IDFAか同一アプリキーが取れている「制限なし」の項目は単価が高い。

同一アプリキーを導入すると、この制限なしの割合が増え、全体の収益がだいぶ向上する。

アプリによっても違いがあるだろうけど、10〜30%程度は向上が見込めそうだ。

このくらい違うとけっこう影響があるので、SDKをアップデートしておいた方がよいだろう。

IDFAが簡単に取れなくなり、広告収益が大きく下がったときにはかなり嫌な気分になったが、広告配信業者の対応によって、じわじわと収益は回復していくようだ。

SkAdNetworkも機能の追加は行われているようだし、今後も改善が続けば、最終的には元とそれほど変わらない水準にまで戻っていくのかもしれない。

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