卑弥呼 邪馬台国を治めた女王 天皇家との関わりは

魏とのやりとり

劉夏は役人と兵士をつけ、難升米を都である洛陽らくように案内させ、この申し出が皇帝にまで伝わるようにしました。

都に到着したのが238年だったとすると、時の皇帝は二代目の曹叡そうえいでしたが、すでに病にかかって重篤に陥っていましたので、謁見はできなかったかもしれません。

やがて12月になると、卑弥呼に対するねぎらいのみことのりが下されました。

これには『汝を親魏倭王しんぎわおうとなし、金印紫綬を仮授する』と記されており、卑弥呼は魏の皇帝から王位を与えられ、冊封体制の中に入ったのでした。

そして使者を務めた難升米は卒善そつぜん中郎将ちゅうろうしょうという武官の地位を授けられています。

また、返礼品として錦や絹、金、刀、そして銅鏡百枚などが贈られました。

魏の使者が訪れる

240年になると、新たに帯方太守になった弓遵きゅうじゅんは倭国に使者を派遣し、詔書と印綬を送り届けました。

そして卑弥呼に王位を仮授し、詔と、身分を示す旗や衣服などを下賜します。

卑弥呼は使者を通じて皇帝に上表し、詔に対する感謝の意を表しました。

その後も、243年に卑弥呼は再び帯方郡に使者を送って献上品を貢納し、245年には難升米に魏から旗さし物が下賜されるなど、外交関係が維持されています。

狗奴国と戦いになる

247年になると弓遵が戦死したために、新たに王頎おうきが太守に赴任しました。

卑弥呼はかねてより狗奴くぬ国の王・卑弥弓呼ひみここと不仲だったのですが、この時期に戦闘が行われており、それが使者を通じて王頎に知らされます。

狗奴国は「邪馬台国の南にあり、女王の支配は受けていなかった」と記されています。

ちなみに卑弥弓呼は卑弥呼と名前が似ていますが、男性の王でした。

これを聞いた王頎は使者を派遣し、書簡を送って和解するようにと伝えています。

死去し、塚が築かれる

年代は書かれていませんが、ほどなくして卑弥呼が亡くなります。

すると卑弥呼を葬るために、大規模な塚が築かれましたが、その直径は百歩ほどでした。

そして奴婢百人あまりが殉葬されます。

この墳墓がどこにあるのかは不明ですが、九州にあるとする説と、畿内にあるとする説などがあります。

再び争いが起き、壱与が女王となる

卑弥呼の後は男性の王が立ったのですが、国中の者たちが不満を抱き、戦いが発生しました。

これによって千人以上が死傷したため、やがて卑弥呼の一族の娘である壱与いよが、わずか13才で女王に立てられます。

この措置によって国中が安定しましたが、卑弥呼の時と同じく、邪馬台国は女王を立てなければまとまらない性質を持っていたようです。

壱与は卑弥呼と同じく、使者を送って献上品を魏に収めており、外交を継続しました。

これが邪馬台国と女王に関する、最後の記録になっています。

邪馬台国の所在地は未確定

邪馬台国がどこにあったのかはいまだに確定しておらず、意見が分かれています。

当時、朝鮮半島や日本のあたりには小国が乱立し、それを地方ごとに大国が束ねて従える、連合国家が複数並立していた状況にあり、全国を統一するほどの政権は存在していなかったようです。

魏志倭人伝には卑弥呼と敵対していた勢力があったことが記されていますし、『女王国から東に海を渡ると別の国々があるが、同じ人種が住んでいる』と記されていることからも、それがわかります。

帯方郡が設置されていた朝鮮半島は、陸続きなので情報が得やすかったようで、詳細に国々の名前が記されています。

しかし、海を隔てた日本については詳しい情報を持っていなかったようで、一部の国々についてしか記されておらず、これが邪馬台国の所在地を確定しづらい要因の一つとなっています。

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