中国史

秦宓 隠者に憧れるも、文才によって世に顕れた蜀の学者

秦宓しんみつは蜀に仕えた学者です。弁論と文章に優れており、隠者の生活を好んでいたものの、やがて招聘を受けて仕官しました。そして諸葛亮から側近に抜擢され、呉の使者と当意即妙のやりとりをして、蜀の学者の能力の高さを示しています。この文章では、そ...

許靖 蜀の司徒を務め、人物鑑定に優れた善良な文官

許靖きょせいは蜀に仕えた文官です。人物鑑定を得意としており、朝廷の人事官や、各地の太守を歴任しました。董卓が台頭してからは各地を放浪し、蛮族が多い交州に逃げたことで、辛酸をなめることになります。後に、その名声によって劉備に尊重され、蜀の司徒...

劉巴 劉備にやむなく従うも、高官に昇った清潔な官吏

劉巴りゅうはは、曹操と劉備に仕えた人物です。荊けい州が陥落した際に、士人の多くは劉備に従ったのですが、劉巴は曹操の元を訪れ、その配下となりました。その後は蜀に流れていましたが、劉備に制圧されたので、本意ではなかったものの、蜀の臣下となってい...

楊戯 蜀臣たちを称賛する文章を残した、怠惰な官吏

楊戯ようぎは蜀に仕え、主に文官として活動した人物です。能力はあったものの怠惰な性格で、上司に対しても礼節を守らなかったので、やがて姜維によって免官にされてしまいました。一方では、友情に篤く、人の優れた点を見抜ける目を持っていました。それによ...

宗預 孫権と渡り合い、諸葛瞻に媚びなかった剛直な将軍

宗預そうよは蜀に仕え、外交や軍事に活躍した人物です。孫権に使いをし、蜀と呉の友好関係の維持に貢献しました。その後は60才を越えてから兵権を持ち、蜀の東方の維持に携わります。蜀の滅亡時にも存命で、その翌年に病死し、蜀の建国から終焉までを見送り...

張翼 廖化とともに、蜀軍を支えた将軍

張翼ちょうよくは蜀に仕えた将軍です。各地の地方長官を務めてから将軍となり、反乱の鎮圧や魏との戦いで活躍しました。そして姜維が軍を動かし過ぎるのを危惧していさめますが、姜維は耳を貸しませんでした。その後もたびたび諫言をしますが、やがて蜀は傾き...

彭羕 劉備に抜擢されるも、失言によって処刑された軍師

彭羕ほうようは劉備に仕え、抜擢を受けた人物です。劉璋しょうの悪口を言って懲役刑に処せられましたが、劉備が益州にやってくると、会いに行って高く評価されました。そして益州の平定に貢献をして重用されますが、思い上がって傲慢な態度を取ったので、やが...

鄧芝 孫権との外交や反乱の鎮圧に活躍した、晩成の将軍

鄧芝とうしは蜀に仕えて活躍した将軍です。若い頃はなかなか地位を得られませんでしたが、年齢を重ねるにつれて立身しました。孫権との外交に成功して友好関係を樹立し、蜀の東方の統治を任されるなどしています。そして反乱の鎮圧にも活躍し、70才を越えて...

廖立 舌禍によって諸葛亮に罰せられるも、その死に涙した将軍

廖立りょうりつは蜀に仕えた将軍です。はじめは劉備や諸葛亮に高く評価されましたが、時間が経過するうちに、思ったほどではないことが判明し、地位が抑えられていきました。廖立はそれを不満に思い、劉備や蜀の重臣たちを誹謗したので、諸葛亮によって地位を...

姜維 諸葛亮に見いだされて魏と戦うも、蜀の滅亡を招いた大将軍

姜維きょういは蜀に仕えて活躍した将軍です。元は魏に仕えていましたが、降伏後、諸葛亮に見いだされて出世し、やがて蜀の大将軍となりました。文武に優れ、魏軍にも何度か勝利しましたが、毎年のように大軍を動かしたので、やがて蜀を疲弊させてしまいます。...