元号(年号)の歴史と改元の仕組み

元号の制度はもともと中国で定められたもので、その起源は、前漢の武帝(在位 紀元前141-87年)の時代にさかのぼります。

武帝は紀元前115年に「建元」という元号を作り、これを過去である紀元前140-135年に割り当てました。

建元は「元号を建てる」という意味であり、この時から「元号」という概念が登場しています。

そして134-129年を元光とし、128−123年を元さくとするなど、数年に一度の頻度で変更をするようになりました。

これ以前は、王が即位するたびに、在位年数に応じて単純に○○王元年、2年といったように数えられていったのですが、もっと頻繁に変更するようになったのです。

変更の基準は、祥瑞ずいしょう(めでたいことの兆し)によって行われるべきだとされ、例えば元光の「光」は、彗星が出現したことを表しています。

また、霊獣である麒麟きりんが捕獲されると、「狩」の文字を用いて改元を行う、といったことが定められ、紀元前122-117年は「元狩」となりました。

元号の意味

このように元号を定め、用いることで、皇帝は時間の区分を決定する力を持っている、ということを誇示し、支配力の強化を図ったようです。

元号を用いる者は皇帝に従う者で、そうでないものは敵対する者だという、区分を作り出すことにもなりました。

このため、時の王朝に反逆した者たちは、別に元号を立て、従わないことを示しました。

たとえば三国志の時代においては、魏・蜀・呉、三国がそれぞれに元号を立てています。

これによって三国はそれぞれに、「我々こそが正統な王朝だ」と主張したのでした。

日本でも南北朝時代には、南朝と北朝がそれぞれに元号を定めています。

中国では、元号の制度は清王朝の代まで継続されましたが、その後継政権である満州国の滅亡によって、1945年に消滅しています。

日本における元号の始まり

日本では、孝徳天皇が即位した年を「大化」とし、この時から元号の使用が始まりました。

西暦では、645年7月17日のことです。

そして650年には、白雉はくちと改元されました。

これは穴門国あなとのくに(山口県)から白雉が献上されたことがきっかけとなっています。

「吉兆であり、祥瑞であるから改元をした方がよい」と、天皇の諮問を受けた道登法師や、豊璋君ほうしょうくんらが勧めたことにより、改元が実行されました。

道登法師は高麗こうらい(朝鮮)の故事に詳しい人物で、豊璋君は百済くだら(朝鮮半島の南西部にあった国)の王子でした。

彼らの意見によって改元をしていることから、中国や朝鮮半島の影響を受け、日本でも建元が行われるようになったことがわかります。

おそらくは、中国の制度に詳しい人物が「天皇を名のるのであれば、元号も必要です」といったことを、孝徳天皇や側近たちに伝えたのでしょう。

なおこの頃には、他に「白鳳はくほう」や「朱雀すざく」といった元号が地方で使われていた、という記録があり、国内で統一されていなかったようです。

最初は定められたり、定められなかったりした

こうして日本でも元号の使用が始まったのですが、すぐに制度として定着したわけではなく、次の斉明・天智天皇の代には、元号が定められることはありませんでした。

また、朝廷の記録などにも、元号が使われた痕跡がありません。

その後は、天武天皇の即位時(686年)に、朱鳥しゅちょう元年と定められ、元号が復活しています。

この号は、次の持統天皇の代でも用いられており、天皇の代替わりのたびに改元する、ということにはなっていませんでした。

元号の制度は輸入したものであり、自発的に生じたものではなかったので、初めのうちは仕組みが確立されていなかったのでしょう。

代替わりと瑞祥などをきっかけとして改元する、という制度が定着したのは、文武天皇の大宝元年(701年)からでした。

【次のページに続く▼】

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