明智秀満(光春) 光秀に忠誠を尽くし、後に天海になったと言われる武将の生涯

スポンサーリンク

謀反の相談

光秀は信長に仕えて以来、引き立てを受け続け、ついに1580年には1万5千もの直属の軍勢と、畿内の諸大名を指揮する権限を与えられ、軍団長の地位にまで上り詰めます。

しかし、やがて光秀は信長と不仲になり、軍団長の権限を取り上げられ、山陰地方に左遷されることになりました。

光秀は信長に殴打されたこともあり、いっそのこと、謀反を起こして信長から天下を奪ってやろうかと、思い詰めるようになります。

そして1582年の6月1日に、亀山城に秀満の他、斎藤利三としみつ溝尾みぞお庄兵衛しょうべえといった5人の重臣を集め、話を持ちかけました。

光秀は「そなたたちの命を私に預けて欲しい。もしもかなわないのであれば、我が首を斬るがよい」と告げます。

これを受け、事の深刻さを悟った5人の重臣たちは顔を見合わせ、息を詰めました。

秀満の決断力

やがて秀満が進み出て、「何事も御意ぎょいしだいです」と光秀に伝えます。

すると光秀は「今宵こよい、京都に押し寄せ、信長公を討つ」と、謀反を計画していることを重臣たちに告げました。

明智光秀

【信長への謀反を計画した明智光秀】

すると斎藤利三は「いま謀反を起こしても、成功する望みは少ないでしょう。おやめください」と諫めます。

しかし秀満は「謀反を口にされた以上、もはや議論をしても無意味です」と言いました。

そして「我ら5人は決して他言しませんが、みなに話してしまい、天地が知るところとなった以上、いずれ必ず、謀反の噂は信長公に伝わり、殿は処罰されるでしょう。そうならぬようにするためには、後はただ急いで京都に向かい、大事を成し遂げてしまうしかありません」と光秀に進言し、決断を促しました。

光秀はこれを聞くとただちに軍勢を率い、京都に向かいます。

秀満自身は信長に対し、特に遺恨はなかったでしょうが、謀反の企ては、一度口外したら、もはや成否を考えずにやり通すしかないものだという道理を、わきまえていたのです。

もたもたしていると、話は必ず漏れてしまい、謀反を口にした者を滅ぼすことになるからです。

そうなると主君の光秀が死ぬことになるため、それよりは信長を討った方がいいと、秀満は考えたのでした。

秀満は光秀のためを思ったからこそ、謀反の決行を促したのです。

このため、天下統一を目前にしていた信長は、この世から消え去ることになりました。

秀満の判断力と決断力が、信長を葬ったのだということになります。

本能寺の変で先鋒を務め、首を隠したと言われる

光秀は「西国に出立するに際し、信長公にお目にかかる」と称して京都に向かいます。

光秀は、中国地方で戦う秀吉の支援に向かうようにと命じられていましたので、この口実は怪しまれず、何事もなく京都に入ることができました。

そして軍勢を整えると、光秀は「敵は本能寺にあり」と配下の者たちに告げ、これを包囲します。

この時に秀満は先鋒を務め、一番に本能寺を襲撃しました。

ですので、信長を負傷させ、その近臣たちを討ち取ったのは、秀満の軍勢だったことになります。

信長は追い詰められると室内に引き下がり、そこで切腹をしました。

そして秀満は信長の首級を手に入れたのですが、これを隠蔽した、という逸話があります。

秀満の家臣に並河なみかわ金右衛門きんうえもんというものがおり、彼が信長の首級と、身につけていた白綾の衣を手に入れました。

しかしそれを知った秀満は、これを隠してしまいます。

手柄をふいにされそうになった並河は怒り、秀満にくってかかります。

これに対し秀満は、「信長は甲斐を討伐して武田勝頼の首を手に入れたが、これを無残に罵倒したことで、世の人々から非難されることになった。いま、光秀様が信長の首を目にすれば、怨恨に耐えず、必ず凌辱を加えなさるだろう。そうなれば後世からの誹りは避けられず、ゆえに首を隠すのだ」と述べ、並河を説得しました。

そして「ことが落ち着いたら、必ずその功績に報いる」と約束したので、並河は納得して引き下がりました。

事実、信長の遺骸は発見されていませんので、そのためにこういった話が語られるようになったのでしょう。

信長の首級が見つからなかった理由の仮説のひとつとしては、成り立つと思われます。

そしてこの逸話からも、秀満が光秀を深く思いやっていたことが伝わってきます。

【次のページに続く▼】

スポンサーリンク
織田 戦国時代 明智

三国志の電子書籍のご案内

当サイトの管理人が制作した電子書籍『正史に基づく三国志 蜀志篇』を、Amazonのkindle storeで販売中です。
正史に基づき、劉備の誕生から蜀の建国、そして滅亡までの過程を描いています。

kindle unlimitedに登録されている方は、追加料金なし(0円)で読むことができます。 こちらのページで紹介文とサンプルが読めます。
電子書籍『正史に基づく三国志 蜀志篇』をkindle storeにて販売しています
電子書籍『正史に基づく三国志 蜀志篇へん』を、Amazonのkindle storeにて、販売開始しました。 これは三国志に登場する蜀しょくという国を作り、支えた人物たちについて書いた本です。 三国志は二つあり、まず蜀や晋しんに...
「歴史の読み物」の更新情報を受け取る
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。

更新お知らせメールマガジン

下記のフォームからメールアドレスを登録すると、サイトの更新情報を受け取ることができます。
メールは土曜日の12時に配信されます。
歴史の読み物