劉放 魏滅亡のきっかけを作った皇帝の側近

曹叡にも用いられる

やがて曹丕が亡くなり、曹叡が魏の二代皇帝になりました。

すると曹丕以上の寵愛を受け、信任され、散騎常侍さんきじょうじの位階を授けられました。

二三二年になると、呉の孫権は、将軍の周賀しゅうがを海路で遼東りょうとうに向かわせ、この地で半ば独立した勢力をもっていた公孫淵こうそんえんを、味方につけようとします。

曹叡はこれを迎撃しようとしましたが、朝廷では多くの者たちがこれに反対しました。

この時、孫資だけが曹叡の意向に賛成し、これによって周賀を打ち破ることに成功します。

この功績によって、孫資は左郷候に昇進しています。

呉と蜀の連携を乱そうとする

劉放は文章を書くのが得意で、曹操・曹丕・曹叡が詔勅を出し、敵に降伏を促したりする際には、よくその仕事を担当していました。

二三三年になると、呉と蜀は同盟を結び、出兵して魏を脅かそうとします。

この時、国境の監視兵が孫権の文章を手に入れました。

すると劉放は内容を改変し、文章をつなぎかえ、あて先を魏の将軍である満寵まんちょうにして、孫権が魏になびこうとしているかのように見せかけます。

そしてそれを諸葛亮の手に入るように手配したので、諸葛亮は呉の将軍・步騭ほしつらにこれを渡しました。

步騭がこれを持って孫権に面会したので、孫権は諸葛亮が疑いを持つだろうと考え、自ら丁寧にこれを弁明しています。

それほどの効果はありませんでしたが、このようにして、劉放は文章を用いた策謀を行うこともあったのでした。

遼東が平定され、地位が高まる

この年に劉放と孫資は、侍中・光禄大夫こうろくたいふの位階を与えられます。

いずれも高位で、皇帝の側近であることを表す地位です。

やがて二三八年になると、反乱を起こした公孫淵が討伐され、遼東が平定されました。

するとこの計画に加わっていたという功績によって、劉放と孫資は郷里の県を領地として与えられます。

劉放は方城候に、孫資は中都候になりました。

このようにして、さほどの働きもないのに、彼らの地位はどんどん高まっていきます。

辛毗の起用をめぐり批判を浴びる

辛毗しんぴは計略にたけ、忠節を備えた優れた人物で、長く魏に仕えて活躍していました。

一方で硬骨なところがあり、権勢を得ていた劉放と孫資と、交際しない態度を取っています。

この様子を見て、辛毗の子の辛しょうが、「今、劉放と孫資が権力を掌握し、人々は影のように彼らについていっています。父君は心を抑えられ、俗世と妥協なされてはいかがでしょうか」と父を諌めました。

すると辛毗は「主上は聡明を備えられるまでには至らないが、暗愚ではない。わしの生き方は筋目があるのだ。たとえ劉放・孫資とうまくいかずとも、彼らができるのは、わしを三公(大臣)にさせないくらいのことだろう。大の男が、三公になりたいがために節義を失うものか」と答え、これに同意しませんでした。

このころ、王思おうしという人が尚書僕射しょうしょぼくやという高位についていたのですが、辛毗よりも能力が劣っていたので、辛毗と交代させるべきではないかという上奏がなされます。

しかし劉放は「陛下が王思を起用しておられますのは、その努力を評価し、虚名を尊ばれないからではないでしょうか。辛毗は誠実ですが、強情で協調性がありません。御心を深く推察されるべきかと存じます」と述べ、これを退けました。

この結果、劉放と孫資は、起用すべき人間を遠ざけたとして、ずいぶんと批判を浴びることになります。

蒋済から批判される

劉放たちの権勢が高まると、重臣の蒋済しょうさいがこの様子を批判する上奏をしています。

蒋済は、劉放たちが権限を持ちすぎており、やがては彼らにおもねる者たちが現れ、不正がはびこり、政治が歪められてしまう危険性があることを指摘しました。

曹叡は劉放たちを重用することはやめませんでしたが、蒋済の国家に対する忠節を称賛しています。

このようにして、魏の重臣から、劉放らの存在には問題があると見られていたのでした。

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