孫堅 呉の礎を築いた孫策・孫権の父の生涯について

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討伐で活躍する

孫堅の元に集まっていた若者たちは、みな孫堅に従軍することを望みました。

このため、孫堅は彼らを討伐軍に編入し、さらには行商人や泗水しすいあたりの兵士を募兵し、千人ほどの兵団を組織します。

そして朱儁と共同して黄巾賊と戦うと、連戦連勝を飾り、向かうところ敵なし、というありさまでした。

しかし孫堅にはひとつ欠点があり、それがやがて、彼を危機におちいらせることになります。

戦闘で負傷し、馬に助けられる

孫堅は勇猛かつ大胆で、常に自ら先頭に立って戦っていましたが、そのために負傷することもしばしばありました。

黄巾賊との戦いの際に、孫堅は勝ちに乗じて敵中に深入りし、逆に包囲され、西華というところで苦戦をしいられます。

そして孫堅は敵の攻撃を受け、負傷して落馬し、草むらの中に倒れこみます。

敵に追い立てられた配下の兵士たちはばらばらになって逃げてしまい、孫堅の行方をみうしないました。

孫堅の生存が危ぶまれる中、やがて孫堅の乗馬が軍営に戻り、足で地面をかいていななきます。

そして馬が歩き出したので、将士たちは馬についていき、草むらの中に倒れている孫堅を発見し、救出しました。

孫堅の乗馬は賢く、主人思いだったようです。

孫堅はそれから十日ほど休養し、いくらか傷が癒えると、また戦いに出ています。

このように、孫堅は強いものの、自らの勇をたのみ、ひとりで突出しすぎる癖があり、それがしばしば彼を危険に遭遇させるのでした。

宛城に籠もった敵を打ち破る

孫堅と朱儁の活躍により、汝南じょなんあたりの黄巾賊は旗色が悪くなり、えん城に逃げ込みました。

すると孫堅と朱儁はこれを追撃し、宛城を包囲します。

孫堅は城の一方の攻撃を担当すると、自ら先頭に立って戦い、城中への一番乗りを果たしました。

すると孫堅の働きに勇気づけられた士卒たちが、その後に続いて城内に乱入し、黄巾賊をおおいに討ち破ります。

戦いが勝利に終わると、朱儁がその様子を詳しく記して朝廷に上表したので、孫堅は別部司馬べつぶしば(部隊長の地位)に任じられることになりました。

このように、孫堅は命を惜しまず自ら先陣で戦い続け、手柄を立ててのし上がっていったのでした。

涼州の反乱討伐に参加する

186年になると、西方の辺境地帯の涼州において、辺章へんしょう韓遂かんすいが反乱を起こしました。

すると朝廷は張温を車騎将軍に任命し、西方に軍を進めて辺章たちを討伐させることにします。

この時に張温は、上表して孫堅を参謀に任命し、ともに長安へと向かいました。

このころになると、孫堅の軍事能力は、朝廷の高官から頼りにされるほどの評判を得ていたのでした。

ところで、当時の涼州には董卓が駐屯しており、先に辺章らの討伐を命じられていました。

しかし董卓は何の成果も挙げられなかったため、張温が派遣されることになったのです。

張温は董卓を長安に召喚しますが、董卓はなかなかやってこず、しかもそれを責めた張温に対して謝罪せず、上官に対して不遜な態度を取ります。

これをみとがめた孫堅は、張温に耳打ちをしました。

董卓を斬るように進言する

「董卓は罪を恐れず、傲慢な態度を取っています。召喚にすぐに応じなかったという罪で、軍法に基づいて斬ってしまうべきです」

しかし張温は、「董卓は西方で実力を持っており、彼がいないと西に軍を進めることができなくなる」としてこれを拒みました。

すると孫堅は、董卓には三つの罪があると述べました。

董卓は上に立つ者を軽視して無礼なふるまいをした罪があり、辺章と韓遂の討伐を怠って軍事行動を妨害し、人心を動揺させた罪があり、任務を授かりながら手柄を立てず、召喚されてもすぐに応じず、不遜だった罪がある。

というのが孫堅の主張で「すぐにあなたが誅伐を加えなければ、軍律の厳格さが失われます」とも述べました。

しかし張温は決断できず、董卓に疑われることを恐れて孫堅を下がらせます。

こうして董卓が罰せられることはなかったのですが、もしも張温が決断できていたら、後の董卓による災禍が発生することはなかったでしょう。

反乱軍が解散し、恩賞は与えられず

この時は結局、大軍が押しよせてきたことで、辺章と韓遂の配下の士卒が逃げ散ってしまい、彼らは抵抗できなくなって降伏しました。

戦わずして乱が鎮まったため、討伐軍には恩賞が与えられなかったのですが、孫堅が董卓の罪を挙げ、張温に彼を斬るように進言した話が広まります。

人々は孫堅の果断さと主張の正しさを支持し、感嘆する者が多かった、ということです。

この影響もあり、孫堅は議郎ぎろう(軍の統括官)の地位を授けられ、さらに地位が向上しました。

一方で、董卓はこの話を聞いて孫堅を憎むようになります。

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